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第1章 プロローグ〈1〉

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 エロスについて考える。

 エロスは、あらゆる主題のうちで、さまざまな言語や文化の違いを超えて、私たちの関心を惹きつける。だが、エロスは私たちの感性、感情、情熱の表現といった点ですべての人に共通するとはいえない。なぜなのか。

 もとより無数の答えがあるだろう。
 私の試みはその答えよりも、この問いをめぐっての考察というべきものになるだろう。
 理由は私にはむずかしい問いだから。

 人間の、あらゆる行動のなかで、性にかかわる行為によって、おのがじしの感情だけでなく、美、本性、精神性といったものの姿、位相が明らかになる。
 とすれば、性について書く、あるいは性行為そのものについて私が書く大きな理由は、菊花としてどこまで表現できるか、ということになる。

 これは、とてもむずかしい。

 私としては、生理、衛生はもとより、哲学、倫理学、医学、性科学、美学、あるいは性愛について書かれた古典に深い敬意を払いながら、できれば、性を地場としての男と女のさまざまなときめき、あるいは、その一瞬の高まりについて考える。できるだけまじめに書くということ。

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2006年12月16日 10:41に投稿されたエントリーのページです。

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