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船越隆子さんによる新聞連載中の記事「翻訳の世界」を掲載しました。こちらでごご覧下さい。


新刊案内
 中田 耕治 訳 / オノト・ワタンナ 著
若き日の永井荷風も読んだ、アメリカン・ジャポニズムの女流作家オノト・ワタンナの小説が、中田流翻訳で現代によみがえる!


 ・「2010年 国民読書年」にあたり、中田耕治先生を講師に、船橋市中央公民館の主催で「講座−文学の楽しみ」と題した講座が行われました。9月から10月にわたり 全4回の連続講座。
  くわしくはこちらをご覧下さい。

 

中田耕治ドットコム とは

作家・批評家・翻訳家として、多彩な活動を続けてこられた中田耕治先生の「今」を
お伝えするサイトです。
パソコンとは無縁の師匠に代わり、有志数名が運営しています。

 

中田耕治 (なかだこうじ)とは
中田耕治

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中田耕治を語る
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作家。1927年、東京に生まれる。
戦後、最年少の批評家として文壇に登場し、『ショパン論』『ゴーゴリ論』などがある。
演劇の演出家としては、「闘牛」(3幕)の演出が代表作。作家として『危険な女』、『異聞猿飛佐助』ほか。評伝『ルクレツィア・ボルジア』、『メディチ家の人びと』、『ブランヴィリエ侯爵夫人』など。また、近作に『ルイ・ジュヴェとその時代』がある。翻訳家としては、ヘミングウェイ、ヘンリー・ミラーなど多数。編・訳も多く、近作に『スコット・フィッツジェラルド作品集』、『アナイス・ニン作品集』がある。

中田耕治執筆本
絶賛発売中

中田耕治共著


<中田耕治先生文学講座終了のお知らせ>

koji7年間にわたって続けられてきた「中田耕治文学講座」は、このたび無事終了させていただきました。

最終講義には新旧の受講生が多数集まり、心地よい緊張感のなかで、パワーみなぎる中田先生の熱い講義に酔いしれました。

これまでご参加いただいた皆様に、心よりお礼を申し上げます。

中田先生の刺激的なお話をまだまだ聴きたいと、閉講を惜しむ声が多いため、来年からは「補講」をおこなう方向で検討中です。
どうぞお楽しみに。

全77回の講座各回のテーマは、こちら中田耕治文学講座リストでご覧いただけます。

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お知らせ
文学講座の資料のバックナンバー(1部500円)の販売しています。くわしくはお気軽にお問い合わせください。
中田耕治連続講座レジュメ.... 2007.5.17

 

最新過去ログ
2012/01/27(Fri)  1351
 
 北上 次郎のエッセイについてもう少し書いておく。

   この集英社文庫版の訳者あとがきに「ヒントンは、アメリカのYA小説を代表す
   る一流作家です」とあるが、アメリカで発表されたのが一九六七年なら、一九七
   〇年代初頭にそのヤングアダルトという名称が日本に伝わったとしても不思議で
   はない。いや、まだ七〇年代説にこだわっているんですが。
   「アウトサイダー」が翻訳されたのは発表後十六年もたってからだが、翻訳前に
   その名前だけが新しい時代の空気として輸入されたということはなかったろうか。
   一九七〇年前後といえば古い時代の規範がなくなり、新しい時代の到来を告げ
   るさまざまなものがいっせいに浮上した時代である。新しもの好きな日本人が、
   アメリカの若者たちの台頭を告げるムーブメントの名称を使ったことは考えられ
   る。実例を出さないかぎりすべては仮説に過ぎないのでしばらくは宿題にしてお
   くが、とりあえずそのヒントンの「アウトサイダー」を読んでみた。

 このエッセイのおかげで、私はS・E・ヒントンを訳した頃のことを思い出した。

 一九七〇年代初頭にヤングアダルトという名称が日本に伝わったことはない。
 たしかに、「アウトサイダー」が翻訳されたのは発表後十六年もたってからだが、私が翻訳する前に、「ヤングアダルト小説」という名前が新しい時代の空気として輸入されたことはなかった。はっきり断言してもいい。
 翻訳の世界でも「ヤングアダルト小説」を翻訳しようなどと思った人はいなかったはずである。いたとしても、よほどのものずきと見られたに違いない。当時、アメリカのジュヴナイルものを出していたのは、秋元書房ぐらいのもので、それも「ヤングアダルト小説」という概念で出版していたわけではない。おもに中学生、女子高校生を対象にした「少女小説」、「青春小説」といった程度のものだった。
 この出版社のシリーズで、私が注目した作家はモーリン・デイリーだけだった。(作家、ウィリアム・マッギヴァーン夫人である。)しかし、モーリン・デイリーでさえも、ごくふつうの「少女小説」といった程度のあつかいで、まったく評判にならなかった。

 もう時効だから、書いておくのだが――「アウトサイダー」という作品は、私が翻訳するよりも前に、ある出版社が翻訳権を取得していた。これはハードカヴァーの出版権だった。その出版社は翻訳ものを多く出していたし、「アウトサイダー」の翻訳は、若い読者のための翻訳書で有名な翻訳家が手がけることになっていた。
 集英社は後発、というかずっと出遅れていた。
 コッポラがこの作品を映画化して、いよいよ日本でも公開されるときまってから、やっと翻訳権を交渉した。はじめから「コバルト文庫」に入れるために交渉したわけではなかった。たいして期待はしていなかったから、はじめからハードカヴァーで出すつもりではなかった。したがって、翻訳権の争奪といった事態はなかった。

 「コバルト文庫」が私に翻訳の依頼をしてきたのは1982年7月末だった。
     (つづく)

 

  

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