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  アートエッセイ評伝創作エロス

目次

 

●レニングラード行き
   夜行列車
その1
その2

●戯曲「犬をつれた奥さん」

●牛鍋ものがたり

●仕立屋さん 空 飛んだ
 1.
 2.
 3.

●私の旅

 

レニングラード行き夜行列車

 

その1

 

それは1932年のこと
私たちはモスクワを離れた
友人たちと私と
誰もが言葉少なだった

町には恐怖感
時代は大きく変わっていた
そして冷酷な男が
再び殺人をはじめた

月 あの夜は刺すような寒さだった
私たちの眼の涙は凍った
私たちはあたふたと
別れの言葉もいわずに旅立った

私たちは作家 私たちは詩人
それぞれの道で活躍していた
そのため逃げ出さないわけにはいかなくなる時

レニングラード行きの夜汽車
レニングラード行きの夜汽車

真実は私たちが知っていた
しかし口にしてはいけなかった
秘密の話し合いの末に
私たちは大胆な行動に出た

逮捕された友人たちもいる
情勢に抗議して
私たちはフィンランドに逃げ
機会をうかがうことを選んだ

 

投稿者: Copyright(C) 中田耕治2005 All Rights Reserved 日時: 2005年05月23日 13:52 


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