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  アートエッセイ評伝創作エロス

目次

「天井桟敷の人々」

「視線のエロス」

強靱なリアリスト

「黄金の指」

アリス・ガーステンバーグのこと

アディユ−、シモ−ヌ

アリダ・ヴァリ追想

「オーメン」回想

ジャスミンの花開く

オペラ歌手 松島理恵

ピンナップ

セザンヌの石ころ

小林正治

サムライ・ニヒリズム
――法
月弦之丞と眠狂四郎――

エクソシスト

映画@

アジア・ポップス

ショパンを聴く

 

 

 

 ■ 映画@ Date: 2005-06-07 (Tue) 
 たとえば、映画「キング・オブ・ジャズ」(1930年)を見たときも、思いがけない「発見」があった。戦前の日本では公開されなかった「痴人の悦び」のクラーク・ゲーブルが踊るシーン(ゲーブルがたった一度だけダンスをしたシーンとして知られている)が、じつはこの映画のダンスのパロディーだったこと。くだらない「発見」だったが、私には意外なことだった。後年のカルメン・ミランダがよく出ていたトロピカル・シーンも、この映画あたりが原点だと知った。それにしても、映画が「声」をもって、わずか1年後に、ハリウッドがこういう映画を作っている。こうした思いが「ルイ・ジュヴェ」に反映しないはずはなかった。
 楽しかったのは、若き日のビング・クロスビーが、デュエット、トリオの一人として出ていた。ガーシュイン自身が映画のなかで「ラプソディー・イン・ブルー」のピアノを弾いていたのだった。これにはほんとうに驚いた。
 BS2で見たのだが、この映画のクレジットにはクロスビーもガーシュインも出てこない。この映画にふたりが出ていたことにじつは記録的な価値があることも、今の人たちは知らない。もっとも、こうしたトリヴィアのすべては、もはや忘却のなかに沈んでゆくのだが。
「ルイ・ジュヴェ」のなかで、少なくとも自分にとって貴重に思われることは記録しておこうと思ったのだった。
                            
            

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